医学部6年間のストレスグラフ③「卒業留年編:放校≒高卒。メンタル崩壊寸前から脱却」

どうもDrえどです。
このNoteでは、私自身の経験と、これまで関わってきた多くの医学生たちのリアルな声をもとに、医学部6年間の“ストレス推移”を時系列で解説します。

今回は、これまでの「医学部6年間のストレスグラフ」シリーズの完結編。
私自身が経験した、卒業留年という、
人生でもっともストレスの大きかった時期を振り返ります。

目次

目次

  1. 卒業留年「現実を受け入れられなかった日々」
  2. 🎯 合格発表の衝撃と、心の空白期間
  3. 「理解」から「記憶」へ──戦略の転換
  4. ✅ 暗記の工夫
  5. ✅ 反復重視のアウトプット学習
  6. ✅ 学習環境と時間管理
  7. 留年の環境と心の葛藤
  8. 🔒 孤独との戦い
  9. 💪周囲の支え
  10. 卒業試験突破、そして国家試験へ・・・。

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卒業留年「現実を受け入れられなかった日々」

ストレス度:100

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🎯 合格発表の衝撃と、心の空白期間

卒業試験の合格発表。
何度見返しても自分の番号がなく、現実を受け入れられないまま、
ただ呆然と立ち尽くしていたのを覚えています

仲間たちが卒業し、医師国家試験に向けて進んでいく中、
自分だけがその流れから外れてしまったような感覚。
「また試験か…」「自分だけ時間が止まっている」と感じ、
存在価値を失ったような気持ちになりました。

現実逃避するように、スマホアプリやバラエティ番組を見ていました。
1週間ほど何も手につかない状態が続きました。


「理解」から「記憶」へ──戦略の転換

春から6年生として再スタート。
同級生たちは国家試験に向けて進み、自分はその背中を見送りながら、
再挑戦のための勉強を始める1年が始まりました。

この1年で痛感したのは、
理解できていても、覚えていなければ点数には結びつかないという事実です。

当時の自分は、テキストを見れば国家試験の問題には対応できる段階にはいたものの、
見なくても解ける状態にする」ことがこの1年の課題でした。

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✅ 暗記の工夫

  • ゴロを自作したり、インターネットで調べたり
  • 簡単なイラストを描いて疾患を視覚化(そのイラストが記憶のトリガーになることも)
  • 関連ワードやイメージ記憶の活用
  • 映像講義のレジュメ部分を、丸暗記に近い形で頭に叩き込む努力
  • テキストの構成やイラストの位置までも記憶に焼きつける意識

✅ 反復重視のアウトプット学習

  • 講義視聴→その日のうちに問題演習→翌週・1ヶ月後に再演習
  • 特に間違えた問題を中心に何度も繰り返す
  • 暗記に自信がなかったため、反復こそが唯一の道と考えて臨んだ
  • 移動中や信号待ちなども含めて、隙間時間も徹底的にアウトプット
  • 「1分前に覚えた内容を、どれだけ長く思い出せるか」を意識して、
     1時間→1日→1週間→1ヶ月と記憶の持続期間を伸ばす努力を継続

✅ 学習環境と時間管理

  • 紙のテキストをスキャンしてPDF化し、スマホやタブレットで持ち歩いた(当時は少数派)
  • 自習室にいる時間がそのまま学習時間ではないと捉え、
     机に向かう12時間のうち、集中した10時間を確保する意識
  • 朝昼晩で学習内容を分け、
     講義/演習/アウトプット型の暗記をバランスよく配置
  • 疲れたときは講義を挟むなど、集中の波を考慮して変化を持たせた

留年の環境と心の葛藤

同期の卒留者は20人近く。
その中には、複数回留年して「放校(退学)」が目前の方もいました。

その姿を間近に見ていたため、
「退学になるかもしれない」というプレッシャーは非常に大きく、
日々の勉強への追い込みにも繋がっていました。

調べたら一瞬で分かることを、なぜ覚える必要があるのか?
という医学への不信感や疑問を抱く日もありましたが、
嘆いても点数には繋がらない。
そう思い直し、ネガティブな気持ちになったら一度寝てリセットするようにしていました。

今振り返れば、
知識があるからこそ、現場での判断ができるという事実に気づきます。
全部覚えている必要はなくても、下地がなければ応用が効かない。
そうした基礎を身につける過程だったのだと、今なら思えます。

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🔒 孤独との戦い

  • 土日も大学の図書館や自習室に通っていたが、誰もいない日もあった
  • 孤独で気持ちが沈むことも多かった
  • 受付の事務員さんへの挨拶が、誰かが自分の努力を見てくれている気がして支えになった

💪周囲の支え

  • 既に初期研修医として働く友人が、試験直前に食事に誘ってくれたり話を聞いてくれたり
  • 悩みの内容は違っても、耳を傾けてくれることが本当に心強かった
  • 試験前日に送られてきたLINEメッセージにも大きく勇気づけられた

この経験が、今の「医学生外来」の活動の原点です。
当時の自分が欲しかったサポートを、今の医学生たちに届けたいと思って活動しています。

Drえどの医学生外来pq7lk.hp.peraichi.com


卒業試験突破、そして国家試験へ・・・。

卒業試験には無事合格。
国家試験も手応えはあったものの、結果は不合格(必修落ち)

📉 原因と振り返り

  • 特定の検査所見にこだわりすぎて、問題の本質から外れた選択をしてしまった
  • 卒業試験で鍛えられた難問対応力は活きていたが、一般臨床問題の合格ライン突破には至らなかった
  • 必修問題は8割固定(200点満点中160点)。模試では超えていたが、本番で3点問題を落としすぎた

卒業留年を経ての国家試験浪人はショックでしたが、
「卒業できた」という安堵感、
そして「放校」から逃れたことで、次は必ず合格できるという前向きな気持ちがありました。

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🌱 さいごに

卒業試験不合格という絶望からの1年。
国家試験にも一度は落ちましたが、
この経験は今の自分にとって何よりの財産です。

支えてくれた周囲の人々への感謝とともに、
当時の自分が一番ほしかった「寄り添い」を、今届けていきたいと思います。


【Youtube動画】経験談の追加

本Noteではポイントを中心にまとめました。
より詳細な心境や、実際の勉強方法については、YouTubeでお話しています。

https://youtube.com/watch?v=12MZ7UfITds%3Frel%3D0

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次回は、国試浪人という私自身が最もストレスを抱えながらも成長できた時期についてお届けします!

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