どうもDr.えどです。
このNoteでは、私自身の経験と、これまで関わってきた多くの医学生たちのリアルな声をもとに、医学部6年間の“ストレス推移”を時系列で解説します。
今回はシリーズの【第2部】として、「5年生〜6年生」の後半2年間を振り返ります。 ポリクリ、卒業試験、国家試験、そしてマッチングと、この時期は本当にやることが多く、非常に忙しい上に、想像以上のプレッシャーが押し寄せるフェーズです。
目次
- 🟪5年生「ポリクリ慣れと、焦り始める国試勉強」
- 🟩第6章:6年生「マッチング、そして卒試・国試の最終試練」
- 1. 初期研修マッチングの選択とプレッシャー
- 2. 卒業試験の「闇」とプレッシャー
- 3. Dr.えどの学びとメッセージ
- 🌱さいごに
- 【Youtube動画】経験談の追加
- 【医学部生活に迷ってる君へ】 『医学部6年間がみえる』発売
🟪5年生「ポリクリ慣れと、焦り始める国試勉強」
ストレス度:40

5年生の前半は、ポリクリ(病院実習)のペースに慣れてきて、一見すると「楽になった」と感じる人もいます。
しかし、実際には次のようなストレスも存在します。
- 実習の負担: レポート作成や発表準備に加え、手術見学などで早朝集合・深夜解散、昼休みなしといった厳しいスケジュールになることもあります。
- 国家試験への焦り: 周りの学生が医師国家試験の勉強を本格的に始め出す時期でもあり、「自分も置いていかれるのでは?」と焦り始める人が出てきます。
一方で、この時期は病院の現場に出ることでモチベーションが上がり、将来の診療科を具体的に考えたり、白衣を着て病棟を歩き回ることに胸を躍らせる学生もいます。病棟のピリッとした雰囲気を肌で感じ、医師や看護師の緊張感あるやり取りを目の当たりにする、大切な時期でもあります。
🗣️一言コメント: 「焦るには早すぎず、しかし多少はやっておかないと置いてかれる」
ポリクリでは初期研修で回れない診療科を経験できる貴重な機会であり、そこで得たイメージが将来に影響することもあるため、一週間ごとの実習を大切に過ごすことが重要です。
周囲の国試勉強の情報に気疲れすることもありますが、 この時期は成績・対人関係・体力など、様々な面でじわじわと削られていく1年だと言えるでしょう。

🟩第6章:6年生「マッチング、そして卒試・国試の最終試練」
ストレス度:90

6年生の前半は、5年生のポリクリや実習の延長のような過ごし方ですが、まず直面するのが初期研修のマッチングです。
1. 初期研修マッチングの選択とプレッシャー
- 病院見学と試験: 夏(7月末〜8月にかけて)に多くの病院で試験(筆記、面接、小論文など)が行われます。
- 多様な選択肢:出身地や大学の近く、大学病院か市中病院かなど、学生によって希望は様々です。
- 大学病院:全ての診療科が揃い、同期が多いメリットがあります。最先端医療や手厚い医療が期待できます。
- 市中病院:全ての診療科が揃っていない場合もありますが、一般的に給料が高めな傾向があります。
- 将来の決定:初期研修の2年間は、3年目以降に何を専門にするかを見極めるうえでも重要な期間です。しかし、初期研修が始まって半年ほどは病院に慣れるのに精一杯で、実質約1年で将来の専門を決める必要があるのは意外と短い期間だと振り返ります。
- Dr.えどの提案: 将来が定まらない場合は、1年目と2年目で異なる病院(市中病院と大学病院など)で研修を行う「たすきがけ」システムも選択肢となり得るとしています。またSNSなどを活用して情報収集することも有効です。
このマッチングを終えると、いよいよ卒業試験と国家試験への意識が強まり、モードが切り替わります。
2. 卒業試験の「闇」とプレッシャー
- 絶対条件:卒業試験に合格しなければ、国家試験を受験することすらできません。
- 厳しい現実:
- 大学によっては過半数が再試験になる大学や、卒業判定が国家試験直前(1月末)に出る大学もあります。
- 複数回の留年は「放校(退学)」につながるリスクもあり6年での放校はかなりツラいです。

- 大学側の問題(※大学により様々です)
- 問題回収:試験問題が回収される大学もあり、復習ができないため、間違えた箇所も分からず、勉強としての有意義ではないと思います。
- 不正確な問題:「正解を2つ選べ」と指示されても正解が1つしかないなど、作成ミスのある問題が出題されるケースもあっても回収されていると審議もできません。
- 大学の合格実績優先:大学側が数十人の卒業留年者を出して国試の合格率を上げることを宣伝するケースがあるが、「センスがない」と思います。
- 学生との認識のズレ:大学側の卒業試験は、あくまで「本大学を卒業する上で知っておいてほしいこと」を評価するものであり、国家試験との関係性を割り切って対策することが賢明だと思います。
- 隠された留年戦略:5年生で留年者を増やすことで、国家試験の出願者数(公表される情報)に影響が出ないようにする大学もあります。また、6年生の夏までに卒業留年の判定を下し、国家試験に出願させない大学もあります。
- 国家試験との乖離:大学は「国家試験に準拠している」と言うことが多いものの、実際には問題数や試験時間以外は準拠しておらず、専門医試験レベルの難問が出題されることもあります。
3. Dr.えどの学びとメッセージ
- 社会の仕組み:私は、医学部での経験を通じて「社会の仕組み」を学んだと感じています。大学で進級するためには、理不尽な要求であっても権限を持つ教授や先生方の指示に従う必要があり、最短ルートで卒業することが最も適切だと感じました。
- 居心地の良い場所:この経験は、社会に出ても「雇い主や上位の指示に従う」という構造は変わらないと考えます。だからこそ、自身にとってストレスが少ない「居心地の良い場所」を見つけることが重要です。
Dr.えど自身も、専門医取得後にクリニック副院長を務め、医師国家試験予備校講師から伴走支援型オンライン塾「医学生外来」を立ち上げ代表として自身のやりたいように活動できる場所を見つけています。

🌱さいごに
医学部後半の2年間は、やることの多さがストレスの本質です。
何を優先すべきか見えなくなりがちな時期ですが、それは真剣に向き合っている証拠でもあります。
- この時期だからこそ、人と比べすぎず、ご自身にとっての最適なペースを見つけることが大切です。
- ストレスに打ちのめされながらも乗り越えた経験は、必ず自分の糧になります。
【Youtube動画】経験談の追加
本Noteでは要点を絞りました!
経験談を多く含んだYoutube動画はコチラ。
https://youtube.com/watch?v=jJHbGjv4wzw%3Frel%3D0

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次回は、シリーズ完結編として、卒業留年・国試浪人という私自身が最もストレスを抱えながらも成長できた時期についてお届けします!


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